伝染性単核症(infectious mononucleosis)とは?
EBウイルス抗体(FA)陽性報告数および陽性率の推移
※self‐limiting:治療をしないでも長期的には症状が落ち着いたり、おさまる性質があること。
弊社で実施しているEBウイルスに対する抗体検査には蛍光抗体法(FA)、酵素免疫法(EIA)があります。EBウイルス特異抗体は大きく分けてVCA (virus capsid antigen )抗体、EA (early antigen )抗体、EBNA (EBV nuclear antigen)抗体の3種類があります。初感染時の一般的な抗体応答パターンを図1に示しました。
陽性報告数はVCA IgM抗体と同様に乳幼児期と思春期に高い傾向がみられます。陽性率は乳幼児期から徐々に上昇し、思春期には95%に達しています。さらに、1998-2000年に比べ2008-2010年では0歳児における陽性率の低下と0歳から20歳頃までの陽性率上昇曲線の違いがみられました(図3)。 そこで、0歳から30歳までのVCA IgG抗体について1995年から2009年までを3年単位の年度群別に、2010年を単年度として陽性率の推移をグラフに示し比較しました(図4)。 結果として、1995年から2010年に至るまで乳幼児期の陽性率が年々低下していること、グラフが右側に平行してシフトしていることから、VCA IgG抗体を獲得する年齢が年々高くなっていることが認められました。
図5は年度群別(1998-2000年・2008-2010年)、年齢別、性別における陽性報告数および陽性率の推移をグラフに示しました。 陽性報告数を棒グラフに、陽性率を折れ線グラフに表してあります。 VCA IgM抗体と同様に乳幼児期と思春期において陽性率が高い傾向がみられます。また、50歳以降に再活性によるものと思われる陽性率の上昇がみられます。
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感染の既往を示すVCA IgG抗体では、乳幼児期の抗体陽性率が年々低下していました。 今後、乳幼児期に感染せず、思春期以降でのEBウイルス初感染者の増加が危惧されます。また、この時期の感染は重篤な症状を呈す場合もあることから、注意が必要です。
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