今年、弊社に依頼された麻疹のIgM抗体陽性率
の推移を各月の前半と後半に分けて示しました。図中の茶色ラインは昨年の推移、緑のラインは一昨年の推移です。昨年は4月から5月にかけて
陽性率にピークが見られています。検査依頼数は5月の連休明けから6月にかけてがピークとなりました。今年の傾向として、
依頼件数をみますと1~3月における麻疹のIgM抗体の検査数は昨年
末からの各地での流行を背景に、同月に比べ1.5~3倍程度と非常に多くなっています。麻疹は今年から全数把握となり、その診断法のひとつとして麻疹IgM抗体が推奨されていますので、検査依頼が増加しているものと思われま
す。
IgM抗体陽性率、陽性件数をみますと昨年末から上昇傾向を見せた陽性率は1~2月をピークに下降しています。
ところが、陽性率ではなくIgM抗体陽性件数を対前年同月比で集計しますと小児(~14歳)では1月が5.0倍、2月が4.0倍、3月が3.3倍、成人(15歳~)では1月が4.3倍、2月が6.6倍、3月が2.4倍と非常に高い値となっています。
4月は新入生入学、新社会人入社の月となります。昨年はこの時期
に流行が認められていますので今後の陽性率の動きに注意が必要です。
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