坂オ生7サカモトヒデ 大規模災害の発生後は救命救急措置に注目が集まり、1名でも多く救えるよう多数の支援チームが活躍する。発災から72時間の壁とも表現され、その様子はマスコミ等で広く報道されるため多くが知るところであろう。 大規模災害ではこれら急性期の対応に加え、避難所や仮設住宅で過ごす方々の健康を保つ長期的な対応も重要である。長期的な対応となる際、被災前からの症状への対応はもちろん、避難所や仮設住宅での生活環境、栄養バランス変化が原因で体調に変化が生じることもある。長期的な対応では発災直後のトリアージとは異なり、生体内の情報を正しく把握しないと、適切な処置や治療を行えない。そこで必要となるのが臨床検査結果を通した生体内の情報の把握である。 大規模災害では医療機関も被害を受けており自施設にて臨床検査が行えず、交通手段も断たれるので近隣医療施設や外部へ委託することも困難だ。したがって、被災地にて状況に応じた臨床検査が必要となる。そこで日本臨床検査医学会では災害後の臨床検査支援として、2011年に「東日本大震災対策委員会」、2016年は「熊本地震対策委員会」を設け、被災地への臨床検査支援を行った。そこで培った経験が、臨床検査に関わる団体で構成された日本臨床検査振興協議会の大規模災害対策委員会に引き継がれ、2024年の能登半島地震では発災直後から、組織的な臨床検査支援活動が実施できた。 本シンポジウムでは組織的な臨床検査支援活動に関わった演者の経験を元にし、災害時に合わせた臨床検査の対応例を紹介する。主な研究領域臨床検査医学、臨床検査技師の国際化と病院外での活動主な著書「やりなおしの検査値・パニック値対応―疾患・場面別見逃してはいけない検査値はコレだ!」(メディカ出版)「メディカルサイエンス臨床化学検査学」(近代出版)「POCTが変える医療と臨床検査」(じほう)「Global Point of Care: Strategies for Disasters, Emergencies, and Public Health Resilience」(AACC Press)「在宅医療チームのための臨床検査」(じほう)1987年 藤田学園保健衛生大学(現・藤田医科大学)衛生学部衛生技術学科卒業 藤田学園保健衛生大学病院臨床検査技師1990年 藤田学園保健衛生大学医学部総合医科学研究所分子生物学部門研究技術員1998年 博士号(医学)取得 2000年 藤田保健衛生大学医学部生化学助手2003年 Harvard Medical School 研究員2006年 Harvard Medical School Instructor2009年 神戸常盤大学保健科学部医療検査学科Harvard Medical School 博士後研究員教授(現職)2015年 神戸常盤大学保健科学部医療検査学科学科長(現職)2021年 日本臨床検査学教育協議会理事長(現職)神戸常盤大学保健科学部 医療検査学科 学科長 教授 秀本災害時の臨床検査
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