コンヒサヨシ DMATの基礎活動は災害医療体制を構築し傷ついた保健医療福祉の提供体制や施設を支えることである。まず、地域の本部を設置し、災害医療体制を確立する。そして被災医療機関を訪問し、困りごとを正確に聞き取り、分析する。このことにより、混乱を防ぎ、現有資源で最大のパフォーマンスができる体制を確保する。その上で、まず物資支援調整、それでも、診療継続が困難な患者の搬送支援、その中でニーズに応じて診療支援を実施する。 このような活動を展開したのが能登半島地震対応であった。まず、既存、新規患者への緊急医療アクセスの確保、病院や福祉施設における飲料水、食料、暖房環境といった人間が生きていくうえで最低限の環境確保とそれでも環境に耐ええない方の緊急避難搬送を行った。前者は7日間、後者は環境確保に11日間、病院・施設合わせて約1,600名の患者搬送を19日間かけて解決した。これらの課題が解決したのち、継続可能な保健医療福祉体制の確立のために、病院・施設への物資、人的支援を中心とした機能維持支援を行った。そのめどが立った2月以降は、地域の保健医療福祉体制の復旧も目的とした活動を行った。 能登半島地震は、高齢化率の高い地域の被災であったため、単に命を長らえさせることのみを目的とするとかえって多くの悲劇を生む、防ぎえる死亡だけでなく悲劇の低減が課題となった。今後ますますの高齢化が進む我が国の災害対応に多くの教訓が得られる災害であった。主な研究領域災害医学主な著書「災害医学」(朝倉書店)「新型コロナウィルス感染症と災害対応」月刊カントテラピー Vol.40 No.12(ライフメディコム)「健康危機管理対応に求められる能力とは」月刊レジデント 第136号 Vol.15 No.3, 2022(医学出版)1996年 日本医科大学卒業 日本医科大学付属病院高度救命救急センター研修医1998年 国立医療病院管理研究所医療政策研究部協力研究員2000年 放射線医学総合研究所研究員2004年 日本医科大学大学院医学研究科卒業 いわき市立総合磐城共立病院救命救急センター医長厚生労働省医政局指導課救急医療専門官厚生労働省大臣官房厚生科学課健康危機管理対策室国際健康危機管理調整官2006年 日本医科大学付属病院高度救命救急センター医局長2009年 国立病院機構災害医療センター教育研修室長2010年 厚生労働省DMAT事務局次長(併任)2020年 国立病院機構本部DMAT事務局次長(現職)国立病院機構 本部 DMAT事務局 次長ドウ藤 久近禎4能登半島地震における保健医療福祉対応
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