エ江川8 2017年 福岡大学薬学部教授(現職)2021年 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務局参与(~2022年)ガワタカシ 大規模災害時には、自治体の指定した避難所や自然発生的に開設される自主避難所に多くの被災者が集まる。これらのうち比較的規模の大きい避難所には医療救護所が設けられ、様々な保健医療福祉活動チームにより救護活動が行われる。 医療救護所において使用される医薬品は、平時と異なり種類が限定され、救護班の医師が自らの専門科以外の患者に対応し、平時に使用したことのない銘柄の医薬品を使わざるを得ない。さらに、医療用医薬品の代替として一般用医薬品を活用せざるを得ない状況も想定される。東日本大震災の教訓と知見を踏まえ、ライフライン喪失下の大規模被災時に通常の調剤と医薬品の供給が可能な自立した災害対応医薬品供給車輌としてモバイルファーマシー(MP)が開発された。MPは、災害救助法の適用地域に投入された救護班が、所持している薬剤が不足している場合等に、救護所等保険医療機関以外で交付され、通常の診療報酬による支払いの対象とならない処方箋(いわゆる災害処方箋)を応需して調剤を行う。一方、災害救助法では、被災地であっても通常の保険診療等による医療が行われている場合には、災害救助法による医療を実施する必要はないため、健康保険法の元で医薬品供給(通常の診療報酬による支払いの対象となる調剤)をする必要がある。 被災地域での医薬品供給はMPの運用も含めて被災地域の復旧復興の実情に則しての柔軟な対応が求められる。主な研究領域災害医療、災害薬事、e–ラーニング、公衆衛生主な著書「薬剤師の災害時の課題解決!BOOK」(じほう社)「災害時、薬剤師にできること、調剤と情報」(じほう社)「災害医療、日本プライマリ・ケア連合学会 基本研修ハンドブック 改訂第3版」(南山堂)「国際緊急援助の実際、災害薬学」(南山堂)「処方提案につなげる薬物治療ハンドブック」(南江堂)1990年 福岡大学大学院薬学研究科(薬学専攻)博士課程(前期)修了2002年 福岡大学大学院薬学研究科(薬学専攻)博士課程(後期)修了博士(薬学)取得福岡大学薬学部 救急・災害医療薬学 教授 孝災害時の医薬品供給の現状と課題
元のページ ../index.html#10