第44回 臨床検査の最前線
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ムラカミマサ 血液や尿などの検体を用いた臨床検査は、病気の診断、治療方針の決定や治療経過の観察に不可欠であり、様々な病態に伴って検査結果が変化する。一方で、臨床検査の結果は、検査の目的とする疾患の病態と直接関係のない様々な要因の影響を受けて変化することが知られている。 検査結果に影響する原因は、生理的変動、検体の採取・処理や測定方法に関係するものなど多彩である。生理的変動の原因は、個体間のものと個体内のものに分けられる。個体間の変動要因として、性別、年齢、血液型、人種などがあり、生活習慣、職業、居住環境なども影響する。個体内の変動要因として、日内リズム、運動、ストレス、食事、薬剤、妊娠などがある。採血時の姿勢や体位によって検査値が変動する検査項目もあり、検体の採取方法や処理方法に加え、測定方法に関連して検査結果が影響を受けることもある。 本講演では、検査結果に影響する様々な原因についてお話ししたい。主な研究領域臨床検査医学、内科学、内分泌代謝学、食健康科学、感染症学主な著書編著「日常診療のための検査値のみかた」(中外医学社)「甲状腺疾患と自己抗体検査」(診断と治療社)分担執筆「内科学」(朝倉書店)「今日の臨床検査」(南江堂)「臨床検査法提要」(金原出版)など1982年 群馬大学医学部卒業1984年 米国オレゴン健康科学大学研究員(~1988年)1992年 群馬大学医学部第一内科学講座助手2000年 群馬大学医学部附属病院第一内科講師2001年 群馬大学医学部臨床検査医学講座教授 2003年 群馬大学大学院医学系研究科臨床検査群馬大学医学部附属病院検査部長医学教授群馬大学医学部附属病院感染制御部長(~2014年)2015年 群馬大学医師会長 2017年 群馬大学医学附属病院地域医療研究教群馬大学医学部附属病院病院長補佐育センター長群馬大学食健康科学教育研究センター副センター長2018年 群馬大学医学部附属病院特命副病院長2023年 群馬大学名誉教授・特別教授 正村上ミ巳 4群馬大学 特別教授/名誉教授検査結果に影響する原因は?

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