第44回 臨床検査の最前線
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フカガワマサフミ 今回のメディコピア教育講演シンポジウムは、その原点に戻って、臨床検査をとりあげることとなった。現在では、膨大な数の臨床検査が行われ、その結果に短時間にアクセスできるようになった。そのような中で、どのようにして適切な検査を選び、いかにその検査結果が信頼でき、そして臨床に役にたつ解釈ができるかが、それなりの費用のかかる臨床検査を最大限活かすために、重要なポイントである。 本日の前半では、これらの総論的テーマについて、3人のスペシャリストに御登壇いただく。まず、宮地先生には、検査の信頼性に関わる精度管理について、それを構成する3つのプロセスのそれぞれについて、実例を挙げながら、解説していただく。次に村上先生に、検査結果に影響する原因として、個体内と個体間の生理的変動要因について触れ、疾患に直接関係しない検査結果に影響する原因の可能性を考慮することの重要さを解説いただく。その上で、山田先生には、検査結果の解釈について、基準範囲と臨床判断値の意義の違いを説明していただき、昨今多用された感染症の検査結果をどう解釈すべきかについてもお話しいただく。 個々の臨床検査の共通の背景として、これらのことを常に考慮しながら、検査結果を有効に活用して行く一助となれば幸いである。主な研究領域慢性腎臓病、糖尿病性腎症、水電解質代謝異常、骨ミネラル代謝、尿毒症主な著書「やさしい腎臓病患者のためのリン・カルシウム代謝の自己管理~保存期・透析期から移植期まで~」(医薬ジャーナル社)「レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第3版」(医学書院)「腎臓・水電解質コンサルタント 第2版」(金芳堂)「透析患者の検査値の読み方 第4版」(日本メディカルセンター)1983年 東京大学医学部医学科卒業 東京厚生年金病院内科、公立昭和病院腎臓内科勤務1990年 東京大学医学部附属病院第一内科助手1992年 米国バンダービルト大学リサーチフェロー1995年 宮内庁侍従職、侍医1997年 東京逓信病院循環器科(腎臓内科)医2000年 神戸大学医学部附属病院助教授、代謝機能疾患治療部部長2007年 神戸大学大学院医学研究科内科学講座腎臓内科学分野長、戦略的独立准教授、腎・血液浄化センター長2009年 東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科専任教授2020年 東海大学内科学系長(~2023年)2021年 東海大学医学部副学部長(~2023年) 雅深川史師2東海大学医学部 内科学系腎内分泌代謝内科学 教授司会の言葉

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