第44回 臨床検査の最前線
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下オ雄了博士(医学)取得 2001年 東京大学医学部附属病院検査部助手2005年 東京大学医学部附属病院検査部講師2017年 国際医療福祉大学医学部臨床検査医学シモタツ 一般検査の中でも尿検査はヒポクラテスの時代までさかのぼるもっとも古い臨床検査といえる。現在では一般検査が扱うのは尿や便のように侵襲少なくサンプリングできるものと髄液、体液のように侵襲が大きいサンプルまでさまざまである。尿や便の検査はスクリーニングとしての意義が大きいものから髄液などは確定診断に用いられるものまで幅広く医療に貢献している。一般検査部門は、他の検査部門との連携が重要であり、病理検査、細菌検査とも連携する。 本講演では演者が主として研究している尿検査を例に、下記の症例を使いながら一般検査は何を視ているのか、検査のクライアントの要求をどのように支えているのか、そして、将来の検査の発展のためにどのような志をもっているのか皆さんとディスカッションしたいと思う。症例  54歳男性 尿検査 タンパク(-)、糖(4+)、沈渣にて糸球体型赤血球、顆粒円柱、硝子円柱、シュウ酸カルシウム結晶を認める。主な研究領域心血管系バイオマーカー、エピゲノム、高血圧、尿を用いた各種疾患の診断方法の開発主な著書「尿検査. 改訂第8版内科 学書3循環器疾患、腎尿路疾患(小川聡総編集)p361-365」(中山書店)「認定医・専門医のための輸液・電解質・酸塩基平衡(下澤達雄、有馬秀二編)」(中山書店)「高血圧治療ガイドライン2019」(日本高血圧学会)「臨床検査法提要改訂35版(金井正光監修、奥村伸生、戸塚実、本田孝行、矢冨裕編)」(金原出版)「臨床検査のガイドラインJSLM2021」(日本臨床検査医学会)「今日の臨床検査2023-2024(矢冨裕、山田俊幸監修、下澤達雄、佐藤健夫、松井啓隆、長尾美紀編)」(南江堂)101988年 筑波大学医学専門学群卒業 1990年 東京大学医学部附属病院分院、海洋研東京大学附属病院内科研修医究所助手1997年 東京大学大学院臨床医学系博士課程修教授2018年 国際医療福祉大学大学院医学系臨床検査医学教授2020年 国際医療福祉大学成田病院臨床検査科部長兼任国際医療福祉大学大学院 医学研究科 臨床検査医学 教授ザワ澤 達一般検査の視点、支点、志点

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