第43回 再生医療の最前線
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2005年 東京大学大学院医学系研究科臨床病態ユタカトミ主な研究領域臨床検査医学、血液内科学、血栓止血学、生理活性脂質主な著書編著「臨床検査法提要」(金原出版)「今日の臨床検査」(南江堂)「標準臨床検査学」(医学書院)「血液形態アトラス」(医学書院)「臨床検査値判読ハンドブック」(南江堂)「出血性疾患の実践診療マニュアル」(南江堂)「健康診断と検査がすべてわかる本」(時事通信社)など 午前のシンポジウム「再生医療の基礎」では、大きな可能性を秘めた再生医療とその周辺の研究の進歩と課題を総論的に俯瞰した。引き続き、午後のシンポジウム「再生医療の実際」では、より具体的な臨床応用の最先端事例を紹介させていただく。 対象疾患はすべて、現代医療における大きな課題として立ちはだかっているものであり、 1.腎不全(腎臓の3次元再生)、2.パーキンソン病(ドパミン神経細胞の移植)、3.加齢黄斑変性・網膜色素変性(網膜の再生医療)、4.血小板減少症(iPS細胞由来の人工血小板)、 5.脊髄損傷(脊髄の再生医療)を取り上げさせていただく。世界で初めて京都大学の山中伸弥教授が作製に成功した、新しい多能性幹細胞であるiPS細胞を再生医療に応用したものであるが、対象となる細胞、組織、臓器により、その手法・課題は大きく異なっている。以上の5疾患事例を通じて、再生医療の現時点での最前線、さらには現代の医学研究の最先端を知っていただくことができると考える。 再生医療の臨床応用に関しては、現在も多くの課題があり、とくに、臨床試験に関しては、社会全体で考えていく必要がある。ただ、まだまだ克服すべき課題はあるものの、着実に夢の治療の実現に向かって歩みが進められていると理解する。 是非、皆様には、我が国において指導的立場におられる研究者のご講演を通じ、再生医療に関する最新かつ正しい知識・理解を得ていただくとともに、再生医療の息吹をお感じいただければと願うものである。1983年 東京大学医学部医学科卒業 1984年 東京日立病院内科1986年 東京大学医学部附属病院第一内科1991年 山梨医科大学医学部臨床検査医学助手1997年 山梨医科大学医学部臨床検査医学助教東京大学医学部附属病院内科2003年 東京大学大学院医学系研究科臨床病態検査医学助教授同医学部附属病院検査部副部長検査医学教授同医学部附属病院検査部部長(現在に至る)2008年 東京大学総長補佐(兼務)(2010年まで)2011年 東京大学大学院医学系研究科副研究科長、医学部副学部長(兼務)(2019年まで)2017年 東京大学教育研究評議員(兼務)(2019年まで)2019年 東京大学医学部附属病院副病院長(兼務)(現在に至る)東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻 臨床病態検査医学 教授 裕矢冨ヤ授 7司会の言葉

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