オオマガリノリ 新型コロナウイルス感染症は、2019年12月に中国の武漢市で初めて患者が報告され、新型のコロナウイルスが病原体であることが確認された。患者から検出されたコロナウイルスSARS CoV-2と呼ばれるようになり、WHOは本ウイルスによる感染症の呼称をCoronavirus Disease 2019(COVID-19)と決定した。COVID-19では多くの場合は咽頭痛は微熱などの軽い風邪の症状が1週間程度続いた後徐々に軽快していく。しかし一部の患者では発症後1週間前後から咳や高熱が出始め、肺炎を起こす。甚だしい場合には進行性の呼吸不全を来たし、人工呼吸や膜型人工肺による治療必要になる場合がある。レムデシビルはRNAウイルスに対し広く活性を示すRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬である。アメリカ国立衛生研究所が主導する国際共同研究として実施され、臨床的改善に要した時間が5日間短縮することが示され、2020年5月7日に国内で特例承認制度に基づき薬事承認された。COVID-19の重症化の機序として、疾患の進行の過程でウイルスの過度の増殖の結果肺胞上皮細胞等が感染して感染した細胞の壊死が進行して様々な物質が体内に放出され、これを刺激として免疫系の調整不全が起こってサイトカインの異常放出が起こり、結果として全身で細胞障害が進行することが考えられている。この過程に介入するための治療として免疫調整薬としてデキサメサゾン、バリシチニブが日本でも認可され用いられている。また、発症後早期の軽症-中等症Ⅰのハイリスク例の重症化を防ぐために抗体カクテルが利用されるようになった。主な研究領域臨床感染症主な著書「感染症診療のロジック」(南山堂)101997年 佐賀医大医学部卒業 2002年 テキサス大学ヒューストン校内科感染聖路加国際病院内科レジデント症科クリニカルフェロー2004年 静岡県立静岡がんセンター感染症科医2007年 同部長2011年 国立国際医療研究センター国際疾病センター副センター長2012年 同院国際感染症センター長2017年 国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター長(兼任)国立国際医療研究センター国際感染症センター センター長 貴大曲オ夫長新型コロナウイルス 感染症COVID-19とは
元のページ ../index.html#12