第41回 がんゲノム医療の最前線
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第41回メディコピア教育講演シンポジウムがんゲノム医療の最前線宮チ地ト人4 近年、遺伝子解析技術の進歩に基づく検査診断薬の開発と臨床利用の展開は著しい。2019年には、次世代シークエンサー(Next-Generation Sequencer:NGS)を用いたがん遺伝子パネル検査が保険収載された。その施設要件には、検査室の第三者認定取得がある。ゲノム医療における医学的判断は、がん遺伝子パネル検査の品質・精度に左右される。遺伝子関連検査を実施する臨床検査室の客観性と信頼性を確保する上で、「遺伝子関連検査に関する日本版ベストプラクティスガイドライン」の求める国際水準を満たすことが求められる。そこで、遺伝子関連検査を対象としたISO 15189施設認定プログラム設置が必要となる。2017-2019年度 AMED研究事業にて、遺伝子関連検査のためのISO 15189施設認定プログラム構築に必要な検討作業が行われた。その概要は、施設認定基準を明確化するためのガイダンス文書の作成、現地実技試験の開発、審査員の養成等である。ガイダンス文書案に基づき、NGS検査を実施する検査施設を対象としたISO 15189施設認定の指針案の策定、パイロット審査が実施された(2019年)。パイロット審査の総括を踏まえて、2020年から本格審査が開始された。 本講演では、がん遺伝子パネル検査の品質・精度の確保のためのISO 15189施設認定プログラム構築の概要と展開について述べる。主な研究領域遺伝子関連検査の精度管理、白血病の薬剤耐性機構主な著書(共編)「遺伝子検査学」(医学書院)(編)「検体検査の品質・精度確保の基準の手引き」(医歯薬出版)(共監)「遺伝子解析技術の革新がもたらす臨床検査とは。」(臨床病理刊行会)1981年 慶応義塾大学医学部卒業 医学博士慶応義塾大学医学部内科学教室(血液)助手、水戸赤十字病院内科医員、米国シティオブホープ国立医療センター研究員現在〜 東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学 教授、同付属病院院内感染対策室長・臨床検査科長ミヤハヤ東海大学医学部 基盤診療学系 臨床検査学 教授 勇がん遺伝子パネル検査の品質・精度の確保

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