第40回 医療におけるAIの役割と未来
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 人類が月に降り立って50年がたった。当時宇宙船で使われたコンピューターシステムは、現代のものから考えると驚くほど簡単なものだったという。その後のハードとソフトの進歩は著しいものであり、現代では、パソコンやスマホなど、身の回りの製品は、その裏にあるシステムを意識させないレベルに発達してきている。 医学のさまざまな分野の最先端をわかりやすくまとめ、未来への展望を語るという方向性で毎年1月に開催しているメディコピア教育講演シンポジウムは、今年第40回の節目を迎える。今回は、その40年の歩みを振り返るとともに、最近の進歩が著しい分野である「医療におけるAIの役割と未来」をテーマに取り上げた。 電子カルテやレセプトは、単にきれいに記録されるだけでなく、そこから得られるビッグデータの活用は大きな可能性を秘めている。また、検査の自動化だけでなく、画像や病理診断、遺伝情報解析、さらには細胞単位の基礎研究などにも活用され始めているだけでなく、手術の支援にも役立つようになった。このような発展の一方で、個人情報の保護、AIによる診断と治療の責任の所在など、早々に解決すべき問題も多い。 今回は、これらの問題点について、専門家にその最先端のお話をうかがうことになっている。AIがどのような未来を切り開いていくのか、想像してみようではないか。主な研究領域慢性腎臓病、糖尿病性腎症、水電解質代謝異常、骨ミネラル代謝、尿毒症主な著書「やさしい腎臓病患者のためのリン・カルシウム代謝の自己管理〜保存期・透析期から移植期まで〜」(医薬ジャーナル社)「レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第3版」(医学書院)「腎臓・水電解質コンサルタント 第2版」(金芳堂)1983年 東京大学医学部医学科卒業 東京厚生年金病院内科、公立昭和病院腎臓内科勤務1990年 東京大学医学部附属病院第一内科助手1992年 米国バンダービルト大学リサーチフェロー1995年 宮内庁侍従職、侍医1997年 東京逓信病院循環器科(腎臓内科)医2000年 神戸大学医学部附属病院助教授、代謝機能疾患治療部部長2007年 神戸大学大学院医学研究科内科学講座腎臓内科学分野長、戦略的独立准教授、腎・血液浄化センター長2009年 東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科専任教授フカガワマサフミ東海大学医学部 内科学系腎内分泌代謝内科 教授 雅深川史 師1はじめの言葉

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