矢ヤコ子 授 5 アレルギー疾患領域では、新しい検査法が日進月歩に開発され、その診断技術は確実に向上している。例えば、近年、食物アレルギーでは、一人の患者さんが複数の野菜や果物により過敏反応が誘発されたり、通常は摂取できる食材(主に小麦)でも、摂取後に運動をしたり、鎮痛薬と同時に摂取するとアナフィラキシーショックなど重篤な症状が誘発されるなど、従来の食物アレルギーの理解を越えた症状を呈する患者さんを経験する。このように、一見複雑にみえる食物アレルギーであっても、現在は血液検査を行えば原因アレルゲンをある程度明らかにすることができ、それらの結果を活用することで患者さんのQOL(生活の質)を劇的に改善することができる。また、アトピー性皮膚炎では、受診した当日の血液検査でその日の皮疹の病勢が数値化され、その結果により治療方針を決めることができる検査項目が開発されている。 本講演では、代表的なアレルギー疾患に対する検査法をわかりやすく解説する。ご参加いただいている皆さまのアレルギー疾患への理解を深めていただく一助となればと幸いである。主な研究領域皮膚アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ラテックスアレルギー、接触皮膚炎、じんましん)1996年 藤田保健衛生大学医学部卒業 藤田保健衛生大学医学部皮膚科学教室入局(研修医)1998年 藤田保健衛生大学医学部大学院医学研究科博士課程入学(皮膚科学専攻)2002年 藤田保健衛生大学医学部大学院医学研究科博士課程卒業「ラテックス−フルーツ症候群の抗原解析」で取得 藤田保健衛生大学医学部皮膚科学助手2004年 藤田保健衛生大学医学部皮膚科学講師2007年 国立成育医療センター研究所免疫アレルギー研究部へ国内留学(斎藤博久部長)2009年 藤田保健衛生大学医学部皮膚科学講師2011年 藤田保健衛生大学医学部皮膚科学准教2016年 藤田保健衛生大学医学部皮膚科学講座臨床教授2017年 藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院総合アレルギー科教授藤田保健衛生大学総合アレルギーセンター副センター長2018年 (校名変更に伴い) 藤田医科大学ばんたね病院総合アレルギー科教授総合アレルギーセンター副センター長アキ藤田医科大学医学部 総合アレルギー科(ばんたね病院) 教授ガミ上 晶検査
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