第38回 認知症
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徳ダ田人7 認知症の人の行方不明、交通事故、詐欺や横領、お店などサービス業における認知症の人とのトラブル。ここ数年、認知症のことが毎日のようにニュースになっている。認知症の人が増える中、医療や福祉以外の分野でも、認知症の人とどのように接して行くかが大きな課題になりつつある。 近年、国際的に注目を集めるキーワードのひとつが、認知症フレンドリーコミュニティー(DFC)である。医療を中心とした従来の考え方では、病気が問題を引き起こすので、予防や治療で問題を減らそうというアプローチである。それに対して、DFCの考え方では、認知症に関係する出来事を、認知症に伴う症状を持つ人々と周囲の環境との間で起こる現象ととらえ、病気ではなく、地域や社会の側を変えていこうというアプローチである。 認知症施策の先進地である英国では、こうしたアプローチが広まっており、各地の町ごとに認知症フレンドリーコミュニティを目指すネットワーク(Dementia Action Alliance)が結成されている他、企業も取り組みを始めている。日本でも、静岡県・富士宮市や福岡県・大牟田市などが、日本を代表するDFCとして、国内外でよく知られるようになっており、商業者や交通機関などを巻き込んだまちぐるみの取り組みが徐々に広がりつつある。主な研究領域認知症フレンドリーコミュニティ主な著書「認知症の人にやさしいまちづくりガイド」(国際大学)「認知症医療」:認知症の人が活用できるインフォーマルサービス(中山書店)「老年精神医学雑誌」第28巻第5号:Dementia Friendly Communitiyとはなにか(ワールドプランニング)2001年 東京大学文学部卒業 日本放送協会入局(番組ディレクター)認知症を中心に、医療・介護の番組を制作2009年 NHKを退職2010年〜現在 NPO法人認知症フレンドシップクラブ理事2012年〜現在 株式会社スマートエイジング代表取締役2013年〜現在 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ共同代表2014年〜現在 国際大学グローバル・コミュニケーションセンター客員研究員2015年〜現在 筑波大学非常勤講師トクヒトNPO法人 認知症フレンドシップクラブ 理事タケ 雄認知症の人にやさしいまちづくり

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