第38回 認知症
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2005年 東京大学医学部附属病院研究拠点形成岩3 認知症と診断される方の数は高齢化社会の進展に伴って増加の一途をたどっている。私たち医師はその様な中でどのように患者さんと接し、どの様に診療をしているだろうか?では、そもそも認知症とはどういう状態なのだろうか?物忘れがあったらそれで認知症と診断されるのだろうか?実はそのような基本的なことがまだまだよく分からないという方が多いのではないかと思う。歳をとったらだれでも記憶力は低下する。では認知症での記憶力の低下と年齢による記憶力の低下は何が違うのだろうか?そして、認知症と診断される方ではどのような症状が特徴的なのだろうか?どういう症状があったら認知症を心配しなければならないのだろうか?実は私たちの外来を受診される方で、これらの事を正確に理解されている方はほとんどおられない。しかし、これらの事を正しく理解することが認知症を理解するために一番重要なことである。 このようになんとなく知っているようでハッキリとは分からない「認知症のホントの事」をお話ししたい。主な研究領域神経変性疾患の病態と治療研究  タンパク質凝集と細胞内タンパク質分解機構の分子生物学的研究、孤発性神経変性疾患におけるエピゲノム異常の関与についての研究、アルツハイマー病の早期検出と介入についての研究主な著書共著「最新内科学」(西村書店)「ポケット版 神経内科検査・処置マニュアル」(新興医学出版社)「医師として知らなければ恥ずかしい50の臨床研究 神経編」(メディカルサイエンス・インターナショナル)「認知症疾患診療ガイドライン2017」(医学書院)「アルツハイマー病 認知症疾患 –臨床医のための実践ガイド–」(朝倉書店)1993年 東京大学医学部医学科卒業1995年 東京大学医学部附属病院神経内科入局2002年 東京大学大学院医学系研究科修了博士(医学)スタンフォード大学ポスドク研究員2008年 東京大学医学部附属病院分子脳病態科学特任准教授2010年 科学技術振興機構戦略的創造事業「さきがけ」研究員2015年 東京大学医学部附属病院神経内科講師イワアツシ東京大学医学部附属病院 神経内科 講師タ田 淳認知症医療の 現状と課題

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