第38回 認知症
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 超高齢化時代を迎え、介護を必要とする高齢者が年々増加しており、医療費の増加の抑制だけでなく、医療システムそのものの対応と変革が求められている。認知症は、その中でも最も重要な疾患のひとつである。 他の多くの病気を同様に、認知症の診療も診断から始まる。まず、患者自身だけでなく、家族にとっても、加齢にともなう変化なのか病的な変化なのかを判断することはむずかしく、どのような場合に受診すべきかを知ることは重要である。 認知症の病態は、脳血管性だけでなく変成性疾患でも生じ、その中でもアルツハイマー病が長年注目されてきた。 最近の病態解明の進歩により、アルツハイマー病では、症状が顕在化するはるか前から、代謝性の変化が生じていることがわかってきた。このことを利用し、より早い段階で変化をとらえ、予防、治療を行うことが実現可能になってきている。 前半のセッションでは、これらの診療と研究の進歩をわかりやすくまとめ、将来の展望について考えてみたい。主な研究領域慢性腎臓病、糖尿病性腎症、水電解質代謝異常、骨ミネラル代謝、尿毒症主な著書「やさしい腎臓病患者のためのリン・カルシウム代謝の自己管理〜保存期・透析期から移植期まで〜」(医薬ジャーナル社)「レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第3版」(医学書院)「腎臓・水電解質コンサルタント 第2版」(金芳堂)「透析患者の内科管理コンサルタント」(金芳堂)1983年 東京大学医学部医学科卒業 東京厚生年金病院内科、公立昭和病院腎臓内科勤務1990年 東京大学医学部附属病院第一内科助手1992年 米国バンダービルト大学リサーチフェロー1995年 宮内庁侍従職、侍医1997年 東京逓信病院循環器科(腎臓内科)医2000年 神戸大学医学部附属病院助教授、代謝機能疾患治療部部長2007年 神戸大学大学院医学研究科内科学講座腎臓内科学分野長、戦略的独立准教授、腎・血液浄化センター長2009年 東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科専任教授フカガワマサフミ東海大学医学部 内科学系腎内分泌代謝内科 教授 雅深川史師 2司会の言葉

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