第38回 認知症
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荒キ木ユミ美コ子8 結婚2週間後に、同居の義母が倒れ入院。甘い結婚生活の代わりに訪れたのは20年にわたる介護の日々でした。糖尿病、高血圧などの成人病に端を発し、その後、認知症を発症。13年の在宅を経て施設での7年の介護。施設に入ってからもほぼ毎日通い詰めました。 23歳から始まった介護生活は子育てと並行の20年。介護が始まったころは、今のように相談できる場所や専門職の方々は少なく、誰にも相談できず、暗いトンネルを、どちらに行けばいいかわからない中を、でもひたすら懸命に歩くしかないというような日々でした。 また、復帰した2004年は、まだ認知症をオープンに話す環境にはなく、まだ痴呆症という呼称でした。現在は、社会において、ずいぶん認知症に対する認識や対応が進化してきていますが、まだまだ孤独の中で介護をしている方々が多くいらっしゃることを、各地での講演活動を通じて実感しています。 2025年、日本の認知症患者・認知症予備軍の数は合計700万人を突破すると予想されています。認知症の介護者が置かれている現状から、これから、どうすればよりよい介護ができるのかをみなさんで考える機会になればと思います。主な著書「覚悟の介護」(ぶんか社)「夫婦力22章」(バジリコ)「介護のミ・カ・タ。」(文芸社)シングルCD「私はブランコ」(テイチクエンタテインメント)経歴 等「第1回ホリプロ・タレントスカウトキャラバン」にてデビュー後、多数のレギュラー番組を持ちアイドルとして、また司会やドラマなど、数々レギュラーを持って活躍。1983年、湯原昌幸と結婚を機に芸能活動を引退。2004年、結婚2週間後から20年間の義母の介護の体験をまとめた「覚悟の介護」の発売を機に芸能界復帰。テレビ、ラジオの司会やコメンテーターに加え、介護や家族をテーマに各地で講演活動を行っている。2017年12月にはレコードデビュー40周年を迎え、『私はブランコ』をリリース。「みんなのうた」(12、1月)でオンエアされている。アラタレント 由特別発言「介護のミカタ」〜よりよい介護のために〜

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