第37回 糖尿病診療の未来
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 糖尿病は、高血糖を生じ、その結果、心血管系、腎臓、眼などの臓器に障害を生ずる全身疾患であり、その予防と治療は、患者の生命の予後と生活の質を大きく左右する。糖尿病は、生活習慣病の代表的な疾患として広く認識されているが、その範疇には入らないさまざまな原因があり、最近もさらに新しい病態が明らかになって来ている。 近年、さまざまな新しい検査法の進歩、治療薬(DPP-4阻害薬やSGL2阻害薬など)や機器の開発(持続血糖測定、インスリンポンプなど)によって、血糖管理の方針は急速に変化してきている。さらに、合併症の診断と治療も長足の進歩を遂げている。患者自身にとっては、早期に発見し、さまざまな職種の医療チームの助けを借りて、事実を受け入れ、自ら糖尿病と生きていく姿勢が大切である。 今回のシンポジウムでは、これらのトピックスについて、日本を代表する演者の方々にわかりやすく解説していただく。糖尿病診療の進歩と未来を実感し、理解することで、より良い予後につながる診療を目指す新たなきっかけとなることを期待したい。主な研究領域慢性腎臓病、糖尿病性腎症、水電解質代謝異常、骨ミネラル代謝、尿毒症主な著書「レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第2版」(医学書院)「透析患者の病態へのアプローチ 第2版」(金芳堂)「図解:水電解質テキスト」(文光堂)「EBM透析療法 2010-2011」(中外医学社)「やさしい透析患者のためのリン・カルシウム代謝の自己管理」(医薬ジャーナル社)「糖尿病・血糖管理コンサルタント」(金芳堂)1983年 東京大学医学部医学科卒業 東京厚生年金病院内科、公立昭和病院腎臓内科勤務1990年 東京大学医学部附属病院第一内科助手1992年 米国バンダービルト大学リサーチフェロー1995年 宮内庁侍従職、侍医1997年 東京逓信病院循環器科(腎臓内科)医2000年 神戸大学医学部附属病院助教授、代謝機能疾患治療部部長2007年 神戸大学大学院医学研究科内科学講座腎臓内科学分野長、戦略的独立准教授、腎・血液浄化センター長2009年 東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科専任教授フカガワマサフミ東海大学医学部 内科学系腎内分泌代謝内科 教授 雅深川史師 1はじめの言葉

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