診断の急速な進歩だけでなく、がんの治療も様々な技術の開発により、画期的に新しくなりつつある。薬物治療のキーワードは前半に解説された分子標的薬であるが、後半解説される治療のキーワードは、「低侵襲」である。 すなわち、これまでは全身麻酔の手術を要していた疾患が、内視鏡治療、腹腔鏡手術やロボット手術で治療可能となってきている。さらに、放射線治療も、画像診断法などの進歩にともない、患部に選択的に有効な方法が開発されてきている。これらは、高齢化社会を迎えるにあたって、侵襲が少ないことでQOLも維持でき、入院期間も短縮できるというメリットが期待される。 一方で、終末期の診療にますます重要となる緩和医療でも、大きな進歩と変化が見られる。方針の決定にあたって、特に「患者とともに決めていく姿勢」が求められるが、この分野は、技術的な側面に加えて、文化的な側面も大きいので、欧米のやり方をそのまま持ち込むのではなく、さまざまな工夫が必要となるであろう。主な研究領域慢性腎臓病、糖尿病性腎症、水電解質代謝異常、骨ミネラル代謝、尿毒症主な著書「レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第2版」(医学書院)「透析患者の病態へのアプローチ 第2版」(金芳堂)「図解:水電解質テキスト」(文光堂)「EBM透析療法 2010-2011」(中外医学社)「やさしい透析患者のためのリン・カルシウム代謝の自己管理」(医薬ジャーナル社)1983年 東京大学医学部医学科卒業 東京厚生年金病院内科、公立昭和病院腎臓内科勤務1990年 東京大学医学部附属病院第一内科助手1992年 米国バンダービルト大学リサーチフェロー1995年 宮内庁侍従職、侍医1997年 東京逓信病院循環器科(腎臓内科)医2000年 神戸大学医学部附属病院助教授、代謝機能疾患治療部部長2007年 神戸大学大学院医学研究科内科学講座腎臓内科学分野長、戦略的独立准教授、腎・血液浄化センター長2009年 東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科専任教授フカガワマサフミ 雅深川史 師7東海大学医学部 内科学系腎内分泌代謝内科 教授司会の言葉
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