第35回 転換期の高齢者医療
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 人口構成の変化にともない、医療を受ける患者の年齢は、急速に、ますます高齢化している。高齢者の医療の質と内容を考えるとき、各臓器に頻発する特有の異常を診療する前に、背景として必ず存在する老化にともなう異常の特徴と進行度をきちんと認識する必要がある。また、いずれの病気の場合にも生じうる低栄養や、長期臥床につながる変化もよく見られる異常である。これら、共通する異常に対して、病前より予防し、病気になった場合、少しでも進展を防ぐ努力がすべての症例に必要となろう。 これらを充分理解した上で、今後の医療体制や、変化して行く治療方針の方向性と課題を明らかにし、高齢者と社会にとってより良い医療とは何かを論議するのが、このパネルディスカッションの目的である。 聴衆の皆さんが、自分たちの親や自分自身、そしてそれらを支えてくれるすべての人たちのことを頭に浮かべて、それぞれの答えを出してみよう。主な研究領域慢性腎臓病、糖尿病性腎症、水電解質代謝異常、骨ミネラル代謝、尿毒症主な著書「レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第2版」(医学書院)「透析患者の病態へのアプローチ 第2版」(金芳堂)「図解:水電解質テキスト」(文光堂)「EBM透析療法 2010-2011」(中外医学社)「やさしい透析患者のためのリン・カルシウム代謝の自己管理」(医薬ジャーナル社)1983年 東京大学医学部医学科卒業 東京厚生年金病院内科、公立昭和病院腎臓内科勤務1990年 東京大学医学部附属病院第一内科助手1992年 米国バンダービルト大学リサーチフェロー1995年 宮内庁侍従職、侍医1997年 東京逓信病院循環器科(腎臓内科)医2000年 神戸大学医学部附属病院助教授、代謝機能疾患治療部部長2007年 神戸大学大学院医学研究科内科学講座腎臓内科学分野長、戦略的独立准教授、腎・血液浄化センター長2009年 東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科専任教授フカガワマサフミ東海大学医学部 内科学系腎内分泌代謝内科 教授 雅深川史師 2司会の言葉

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