第34回 栄養と食欲
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 食事療法は継続困難なことが多いが、それは食欲が情動、記憶、価値判断、ストレスといった「人間らしさ」と密接に関連しているためでもある。一方、仕事の都合などで夕食が遅い、就寝前に果物や甘いものなどの間食を食べてしまうなど、時間的な問題が、より一層食事療法を難しくしている。日本人の総摂取カロリーは1975年をピークとして減少しているが、脂肪摂取量は逆に増加している。 私は食欲調節のメカニズムを研究してきた。さらにこれらの研究成果を医療の現場で応用できる機会があった。このような経験を基に、新たな物質を発見する研究のおもしろさや実際に臨床応用する醍醐味を紹介する。主な研究領域糖尿病、摂食調節、ペプチドの臨床応用、末梢神経障害主な著書「内科学 第10版:内科疾患に伴う神経系障害」(朝倉書店)「糖尿病の分子標的と治療薬事典:抗肥満症薬」(羊土社)「最新 内分泌代謝学:消化管ホルモンと消化管機能総論」(診断と治療社)「今日の治療指針2013年版:インスリノーマ、消化管ホルモン産生腫瘍」(医学書院)「ペプチド医薬の最前線:経鼻投与デバイスを用いたGLP-1投与による2型糖尿病の治療開発」(シーエムシー出版)1980年 宮崎医科大学医学部卒業1984年 宮崎医科大学医学部大学院医学研究科修了1985年 宮崎医科大学医学部第三内科助手1996年 宮崎医科大学医学部第三内科講師2003年 宮崎医科大学医学部第三内科教授2006年 講座名変更により宮崎大学医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野教授ナカザトマサミツ宮崎大学医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野 教授 雅中里光5食欲を調節するホルモンと代謝

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