おいしく食べ、元気に暮らすことは、われわれの生活の質にとって、最も大切なことのひとつである。このことは、病気になってしまった場合にも、同じように重要な意味を持つ。すなわち、傷からの回復、感染症に対する抵抗力など、予後を決定する因子が、栄養状態によって大きく左右されることが知られており、その機序も、食欲、消化管の動き、心との関係も含めて、詳しく解明されつつある。 このシンポジウムでは、栄養状態を評価し、病態に基づいてそれを改善するという、どの科にも共通する方法を、最新の知見をふまえて理解することを目的としている。日常診療の中で、ルーチンに栄養評価が行われ、予後の改善につながることを期待したい。主な研究領域慢性腎臓病、糖尿病性腎症、水電解質代謝異常、骨ミネラル代謝、尿毒症主な著書「レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第2版」(医学書院)「透析患者の病態へのアプローチ 第2版」(金芳堂)「図解:水電解質テキスト」(文光堂)「EBM透析療法 2010-2011」(中外医学社)「やさしい透析患者のためのリン・カルシウム代謝の自己管理」(医薬ジャーナル社)1983年 東京大学医学部医学科卒業 東京厚生年金病院内科、公立昭和病院腎臓内科勤務1990年 東京大学医学部附属病院第一内科助手1992年 米国バンダービルト大学リサーチフェロー1995年 宮内庁侍従職、侍医1997年 東京逓信病院循環器科(腎臓内科)医2000年 神戸大学医学部附属病院助教授、代謝機能疾患治療部部長2007年 神戸大学大学院医学研究科内科学講座腎臓内科学分野長、戦略的独立准教授、腎・血液浄化センター長2009年 東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科専任教授フカガワマサフミ東海大学医学部 内科学系腎内分泌代謝内科 教授 雅深川史師 1はじめの言葉
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