持ダ田授5モチ 血液検査で肝機能異常を指摘された際に、その原因として最も多いのは肥満、アルコール摂取などが原因の脂肪性肝疾患である。しかし、わが国にはB型、C型肝炎ウイルスの感染者が多く、これらによる慢性肝炎、肝硬変の場合もある。これら慢性の肝疾患の中で、ウイルス性の肝疾患は肝癌を併発する頻度も高く、肝機能異常の原因と明らかにすることは重要である。その鑑別診断で威力を発揮するのが超音波検査などの画像診断である。 肝臓は体表直下にある実質臓器であり、その形や内部の状況を観察するためには超音波検査が有用で、肝機能異常が認められた場合は最初に実施する。超音波検査は肝癌などの腫瘤性病変のスクリーニング検査にも有用で、径1cm程度の小さな病変を発見することも可能である。このためウイルス性の慢性肝炎、肝硬変のみならず脂肪性肝疾患でも、肝癌のスクリーニング検査として超音波検査を定期的に実施することが重要である。 超音波検査で肝に腫瘤性病変が発見された場合には、CT、MRIなどの画像検査を放射線科で実施する。また、内科では造影剤を用いた超音波検査を行うこともあるが、これらの精密検査は肝嚢胞、血管腫など頻度の高い良性の腫瘤性病変と肝癌の鑑別診断に重要である。各種画像診断で肝癌と診断された場合は、超音波検査で腫瘤に穿刺するラジオ波焼灼療法、足の付け根の動脈から肝動脈にカテーテルを挿入して血管造影を実施してさらに抗癌薬などを注入する肝動注化学塞栓療法が実施される。このため画像診断は診断のみならず、治療法としても重要であり、血液検査とともに肝臓病の診療に必須となっている。主な研究領域消化器病学、肝臓病学特に急性肝不全など難治性肝疾患、ウイルス性肝疾患と肝癌の治療主な著書責任編集「今日の診断指針:第6版、第7版(肝・胆・膵領域)」(医学書院)「今日の治療指針、わたしはこう治療している:2012年版、2013年版(肝・胆・膵領域)」(医学書院)編集「de novo B型肝炎」(医薬ジャーナル社)「Hepatology Practice 第1巻 B型肝炎、第2巻 NAFLDとアルコール性肝疾患」(文光堂)1984年 東京大学医学部医学科卒業 1986年 小平記念東京日立病院1987年 東京大学医学部第一内科医員1989年 同文部教官助手1994年 埼玉医科大学第三内科助手1995年 埼玉医科大学第三内科講師1998年 埼玉医科大学第三内科助教授2003年 埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科教同附属病院研修医埼玉医科大学病院 消化器内科・肝臓内科 教授診療科長サトシ 智肝の画像診断
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