第33回 肝臓の病気
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﨑シ司松 3マツザキヤス 肝臓はアルコールを分解する臓器として知られているが、それ以外にも多くの機能がある。栄養は小腸から門脈で、酸素は心臓から肝動脈で肝臓に運ばれ、細かく枝分かれした毛細血管から肝小葉に行きわたる。つまり人間が摂取した脂肪や糖分は、胃や小腸を経て肝臓に送られ、いろいろな種類の酵素によって化学反応を起こし、代謝すなわちエネルギーへの変換が行われる。そして変換されたエネルギーは肝臓で一時的に保管・蓄積され、必要に応じて身体の各部に送り出される。他にも薬物・毒物の解毒、胆汁の分泌、免疫力の維持など、細かく分類すると肝臓には500以上の機能があるとされる。肝臓の実質細胞や非実質細胞がこの多くの働きをしている。1〜2mm3の肝小葉(肝細胞の集まり)が約50万個集まって肝臓を形成しているのである。このように人間の様々な臓器にエネルギーを補充し、維持することによってそれぞれのはたらきをコントロールする、いわば「臓器の司令塔」の役割を担っているのが肝臓である。このため何らかの障害によって肝機能が低下すると、他の様々な臓器に障害を引き起こすのである。主な研究領域肝・胆道疾患の脂質・胆汁酸代謝、自己免疫性肝疾患の発症機序解明と進展抑制、ウイルス肝炎の疫学と発症機序、肝癌の発癌機序解明、肝繊維化機序に関する研究、消化器疾患と酸化ストレス、消化器癌の化学発癌予防主な著書「薬物性肝障害、今日の治療指針」2012(医学書院)「黄疸、胆汁うっ滞、今日の治療指針」2008(医学書院)「治療法をめぐる最近の進歩 肝癌の非手術的治療の進歩 肝細胞癌に対する陽子線照射療法 現況と展望」(医学のあゆみ(別冊)441-444、2006)編著「患者さんの質問に答える慢性肝疾患診療 改訂2版」(南山堂)「肝硬変・肝細胞癌への進行を防ぐために慢性C型肝疾患患者のフォローアップ戦略」(消化器の臨床、別冊8(2)、209-217、2005)1984年 筑波大学附属病院医員1987年 北茨城市立総合病院医師1988年 筑波大学講師臨床医学系1995年 米国ジョージ・ワシントン大学医学部研究員2000年 筑波大学助教授臨床医学系2004年 筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授2006年 筑波大学附属病院病院教授2006年 東京医科大学教授霞ヶ浦病院消化器内科科長2008年 東京医科大学教授地域医療振興学(寄附講座)代表(兼任)2009年 東京医科大学教授茨城医療センター消化器内科科長、内視鏡センター長、拠点病院相談支援センター長東京医科大学教授茨城医療センター病院長東京理科大学客員教授総合研究機構(TR部門)2010年 東京薬科大学客員教授 学校法人東京医科大学理事 靖東京医科大学茨城医療センター 病院長消化器内科 教授肝の構造と働き

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