第33回 肝臓の病気
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ヤ矢冨授 2 2005年 東京大学大学院医学系研究科臨床病態トミユタカ 肝臓は、全身の代謝作用を司るとともに、体液の恒常性を保ち、きわめて多彩かつ重要な役割を果たしている。従って、肝臓の障害は、体に深刻な異常を引き起こし、我が国の死因としてもたいへん重要である。肝炎ウイルスの持続感染による慢性肝炎、さらには、肝硬変、そして、これらを素地として生じる肝細胞癌などである。また、肝臓の生活習慣病ともいうべき、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)も、その重要性を増している。その一方、肝臓病は症状が現れにくく、明らかな症状がないまま病状が悪化することもあり、「沈黙の臓器」と言われているゆえんである。 肝臓病の診断、治療は日進月歩であり、多くの病気と同様、肝臓病においても、早期診断に基づく早期治療が何より重要である。肝臓に関する正しい知識を得ていただくため、前半のパネルディスカッションでは、肝臓の働きの基本、肝臓病の診断の中心をなす血液検査・画像検査に関して、我が国を代表する専門家にわかりやすく解説していただく予定である。これにより、後半のシンポジウムにおいて触れられる具体的な肝臓病の理解もいっそう深まると信じる。主な研究領域臨床検査医学、臨床血液学、血栓止血学、生理活性脂質主な著書編著「臨床検査法提要」、「今日の臨床検査」、「臨床検査値判読ハンドブック」、「抗血栓療法のノウハウとピットフォール」、「新 検査のすべてがわかる本」など1983年 東京大学医学部医学科卒業 1984年 東京日立病院内科1986年 東京大学医学部附属病院第一内科1991年 山梨医科大学医学部臨床検査医学助手(この間、1993年〜1995年 米国ワシントン大学へ留学)東京大学医学部附属病院内科1997年 山梨医科大学医学部臨床検査医学助教2003年 東京大学大学院医学系研究科臨床病態検査医学助教授同医学部附属病院検査部副部長検査医学教授同医学部附属病院検査部部長 裕東京大学大学院医学系研究科臨床病態検査医学 教授司会の言葉

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