第33回 肝臓の病気
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イシカワ 『病気とうまく付き合っていく』ひとことで言ってしまうとすぐにできそうに思えますが、いざ目の前にその現実を置かれると、思っていたよりはるかに難しいことに、今さらながら気づかされています。 B型肝炎が発症してからの間には、様々な出来事がありました。 病気の症状や検査の結果に、いつもはらはらさせられたり、少し良くなって喜んだり……。 一喜一憂してはいけないとわかっているのに、ついついそんな気持ちになってしまいます。 また、「この病は簡単に感染してしまうのではないか」という誤った知識によって、誤解や偏見の目にさらされてしまうことがあります。 私は母子感染によってキャリアとなり発症しましたが、感染経路に対する正しい知識や理解があれば、きっともっと互いに歩み寄ることができるのではないでしょうか。 この先、私の症状がどうなるかは誰にもわかりませんが、どんな結果が出たとしても決して投げやりにならず、あきらめたり焦ったりしないで、病気に立ち向かっていきたいと思います。 病気は私にいろんなことを教えてくれました。 生きることの素晴らしさ、本当の幸せってどんなことなのか、人と人との支えや励ましの力のすごさ、思いやりの大切さなど……。 私の人生に無駄なことなどひとつもありません。 だから病気と闘うことも私の生きる上で、きっとなくてはならないことだったんだと思っています。 病気とうまく付き合えるよう努力はしますが、絶対に心まで飲み込まれないように精一杯前を向いて歩んでいきたいと思います。 そして今あることに心から感謝をしています。略 歴1978年歌手デビュー。1981年「まちぶせ」がヒットしNHK紅白歌合戦出場。歌手、声優、司会など幅広く活躍。1987年にB型肝炎発症。入院・療養生活後、翌年復帰。著書「いっしょに泳ごうよ」を出版。復帰後は、本人作詞のCDアルバム「HOME・MADE−ただいま−」や話題の楽器「一五一会」を使った「With みんなの一五一会」シリーズ発売。コンサートや、闘病経験を元に健康に関する講演会など幅広く展開。現在NHKラジオ第1「こうせつと仲間たち」隔週火曜日レギュラー放送中。主な出演作《レギュラー放送》NHKラジオ第一「こうせつと仲間たち」《作品》「With 〜the best of 一五一会」2007年「With みんなの一五一会 RADIO DAYS」2006年「With みんなの一五一会 〜フォークソング編」2005年「With みんなの一五一会 〜唱歌・童謡編」2004年「HOME・MADE −ただいま−」1999年主な著書「いっしょに泳ごうよ」(集英社) ひとみ石川9歌手特別発言

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