第32回メディコピア教育講演シンポジウム血液の病気◆ここまで進んだ診断と治療 日本赤十字社医療センター第1消化 器科 帝京大学医学部第1内科講師タキカワハジメ 前半のパネルディスカッションでは血液の構成成分である赤血球、白血球および血小板の働きを勉強したが、後半のシンポジウムでは、これらの異常により生じる代表的な疾患を取り上げる。 貧血は血液中のヘモグロビン濃度が減少した状態で、軽いものも含めるとかなりの頻度でみられる疾患である。様々な原因で起こるが多くは鉄の不足によるもので、食事からの摂取の不足や月経過多などで鉄が失われて起こることが多い。再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの造血幹細胞の異常による貧血では治療抵抗性の場合がある。 血液の悪性腫瘍としては白血病と悪性リンパ腫が代表であり、タイプにより予後がかなり異なる。特に白血病は、成人の癌と異なり若年で発症することも多いために不治の病と称されることもあったが、治療薬の進歩と造血幹細胞移植により予後はずっと改善している。 血小板減少症では、種々の原因により血小板が減少して止血がしにくくなり、紫斑や鼻出血などが生じる。中でも明らかな原因や基礎疾患のない特発性血小板減少性紫斑病は時々みられる疾患である。主な研究領域内科学、消化器病学主な著書編集「消化器ナビゲーター」、「ここまできた肝の科学」、「講義録 消化器学」など昭和52年 東京大学医学部医学科卒業 東京大学医学部附属病院内科研修医 54年 東京警察病院消化器センター内科 55年 東京大学医学部第2内科医員 59年 米国UCLA客員研究員 62年 東京大学医学部第2内科助手 平成 2年 帝京大学医学部第1内科助教授 10年 帝京大学医学部内科教授 22年 帝京大学医学部附属病院副院長(併任) 23年 帝京大学医学部内科主任教授帝京大学医学部 内科学 主任教授 一滝川 7司会の言葉
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