第32回メディコピア教育講演シンポジウム血液の病気◆ここまで進んだ診断と治療河2カワイ ヒトの体は、1個の受精卵から始まり、母親の体内で数十兆個の細胞がそれぞれ異なる特定の働きをもった多くの臓器に分化し、それらが有機的に「生命維持」という一つの目的を達成するために体内に配置されている。それらの臓器の隅々まで必要な成分を送りこみ、細胞が働いてできた不要な成分を運び出すために血液が休みなく体中の血管を循環している。血液の中には、3種類の細胞、すなわち赤血球、白血球、血小板があって、血液の約半分の容積を占めている。その他に液状の部分、すなわち血漿の中には無数の成分が溶け込んでいるが、その中で最も重要で、血液成分が主役を演じているのが「出血を止める働き」である。その出血を止める役割が障害されると、小さな傷からでも血が止まらなくなる。逆に、出血を止める働き、すなわち血液凝固作用が体内で過剰に働いて血管内に「血の塊」、すなわち血栓が出来て血管が詰まってしまう病気もある。とくに、近年は、血小板を含めて、血栓症に対する研究が大きく進歩している。 午前中のパネルディスカッションでは、血液に含まれる赤血球、白血球について、そして血小板を含めた止血のメカニズムについて各演者から最新の知見を易しくまとめて頂き、最後に「特別発言」として女優の愛華みれさんから、ご自身の体験談をお話して頂く予定である。主な研究領域臨床検査一般、血漿蛋白学、臨床免疫学、遺伝子診療、臨床検査の国際標準化主な著書「血漿蛋白−その基礎と臨床」、「Clinical Aspects of the Plasma Proteins」、「演習臨床病理学」、「臨床検査医学」、「異常値の出るメカニズム」、「遺伝子診療'95」など昭和30年 北海道大学医学部卒業 31年 米国クアキニ病院インターン 33年 米国マイアミ大学医学部病理学専攻 37年 米国形態病理・臨床病理学専門医 38年 国鉄中央鉄道病院(現・JR東京総合病院)副医長 41年 日本大学医学部助教授 47年 同教授 49年 自治医科大学教授・同附属病院臨床病理部長平成 9年 同名誉教授・国際臨床病理センター所長 17年 ㈶国際医療技術交流財団理事長 (現 公益財団法人国際医療技術財団代表理事・理事長) 22年 ㈶予防医学事業中央会理事長自治医科大学 名誉教授・国際臨床病理センター所長タダシ合 忠司会の言葉
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