第31回 腎臓病
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矢ヤ冨 7   17年 東京大学大学院医学系研究科臨床病 すべての病気に言えることだが、予防に勝る治療はない。また、早期診断に基づく、早期の対策・治療が求められる。しかし、腎臓病に関しては、とくにこれがあてはまると思われる。CKD(慢性腎臓病)という新しい概念が提唱され、全世界的に定着してきたのも、CKDの重要性と病態が明らかになるとともに、新しい治療体系に基づく早期の対策が予後を改善することが明らかになったからである。 CKDは、それが進むと、腎不全、さらには、透析導入にいたるだけでなく、糖尿病や高血圧と同様に、心血管疾患の大きな危険因子にもなる。現在、慢性透析が導入される患者が増え、国民医療費を圧迫するような事態になっている一方、国民病となった心血管疾患への対策が強く望まれている。CKD対策を国全体で進めることの重要性は明らかである。 午前中のパネルディスカッションでは、腎臓の働きと腎臓病の基礎を学んでいただいたが、午後からのシンポジウムでは、より具体的に、腎臓病に対する予防・対策に関して専門の先生方にご講演いただく。多くの方々に腎臓病に関わる正しい認識と理解を深めていただき、これが、末期腎不全患者数を減らすことに繋がることを祈るものである。主な研究領域臨床検査医学、臨床血液学、血栓止血学、生理活性脂質主な著書編著「臨床検査法提要」、「今日の臨床検査」、「臨床検査値判読ハンドブック」、「抗血栓療法のノウハウとピットフォール」、「新 検査のすべてがわかる本」など昭和58年 東京大学医学部卒業   59年 東京日立病院内科  61年 東京大学医学部附属病院第一内科平成 3年 山梨医科大学医学部臨床検査医学助手(この間、平成5年〜7年 米国ワシントン大学へ留学)東京大学医学部附属病院内科   9年 山梨医科大学医学部臨床検査医学助教授  15年 東京大学大学院医学系研究科臨床病態検査医学助教授同医学部附属病院検査部副部長態検査医学教授同医学部附属病院検査部部長トミ東京大学大学院 医学系研究科 臨床病態検査医学 教授ユタカ 裕司会の言葉

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