第31回 腎臓病
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日本赤十字社医療センター第1消化 器科 帝京大学医学部第1内科講師 今回のテーマは腎臓病である。「肝腎要」の言葉の通り腎臓は重要な臓器で、全身をめぐる血液から老廃物や毒素を取り除き尿に排泄する。腎臓が一日にろ過する血液量は150Lにもおよび、働きが低下すると体中に老廃物や毒素がたまることになる。また腎臓は、電解質、赤血球数や血圧を調節するホルモンを分泌し、ビタミンDの活性化など様々な働きをおこなっている。 CKD(chronic kidney disease 慢性腎臓病)という概念は2002年に米国で提唱されたもので、その背景には、CKDから透析療法が必要となる末期腎不全へと進行する患者さんが増えてきて、CKDの患者さんでは心血管疾患が起こりやすいことがわかってきたということがある。検尿によるCKDの早期発見は重要で、治療法の進歩によりCKDは良くなることが明らかとなってきた。CKDの発症・進展には生活習慣が関わっており、生活習慣の改善や薬物療法等によって進行予防が可能であるにもかかわらず、その重要性が理解されていないようである。 このパネルディスカッションでは、腎臓の構造と働き、腎臓病を早く発見するには何が大切か、またCKDの診断、病期の分類、生活習慣との関連、食事療法を含めた治療法につき、わが国の第1人者の先生方にわかりやすく解説して頂く予定である。主な研究領域内科学、消化器病学主な著書編集「消化器ナビゲーター」、「ここまできた肝の科学」、「講義録 消化器学」など昭和52年 東京大学医学部医学科卒業 東京大学医学部附属病院内科研修医  54年 東京警察病院消化器センター内科  55年 東京大学医学部第2内科医員  59年 米国UCLA客員研究員  62年 東京大学医学部第2内科助手 平成 2年 帝京大学医学部第1内科助教授  10年 帝京大学医学部内科教授  22年 帝京大学医学部附属病院副院長(併任)タキカワハジメ帝京大学医学部 内科学 教授 一滝川 2司会の言葉

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