第30回メディコピア教育講演シンポジウム動脈硬化をめぐって◆予防と治療の新しい展開タ太テ手主な研究領域生活習慣病の成因解明と治療、早老症主な著書以下共著「日本動脈硬化学会編.動脈硬化予防のための脂質異常症治療ガイド2008年版」(協和企画)、「NHKここが聞きたい!名医にQ:心筋こうそく・狭心症」(日本放送出版協会)、「セルフ・メディカ:予防と健康の事典」(小学館)、「新細胞増殖因子のバイオロジー」(羊土社)心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化の発症および進展には、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、高血圧、喫煙、加齢などの危険因子(リスクファクター)が深く関わっている。特に、複数の危険因子が積み重なった人では動脈硬化が進みやすく、その背景として内臓脂肪の蓄積している場合の多いことが知られるようになった。これがメタボリックシンドロームの考え方であり、動脈硬化のみならず糖尿病の予備群としても重要である。内臓脂肪組織からはさまざまな炎症性物質が分泌され、代謝異常の原因となる。一方、内臓脂肪には、食事や運動療法によって減少しやすいという性質もあるため、積極的な生活習慣の改善が推奨される。このように、メタボリックシンドロームによる動脈硬化を予防するための基本は生活習慣の是正だが、それと同時に個々の危険因子に対する手当が有効な場合もある。以上の考え方に基づき、動脈硬化とメタボリックシンドロームの関係、ならびにその対策について考えてみたい。4昭和63年千葉大学医学部卒業千葉大学医学部附属病院研修医平成元年東京都老人医療センター内科医員4年ルードウィック癌研究所(スウェーデン)客員研究員8年スウェーデン国立ウプサラ大学大学院博士課程修了(PhD)10年千葉大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)日本学術振興会特別研究員(PD)11年千葉大学医学部第二内科助手18年千葉大学医学部附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科講師21年千葉大学大学院医学研究院細胞治療学教授千葉大学医学部附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科科長千葉大学大学院医学研究院細胞治療学教授ロウ郎ヨコ横コウ幸動脈硬化とメタボリックシンドローム
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