第30回メディコピア教育講演シンポジウム動脈硬化をめぐって◆予防と治療の新しい展開ダ田主な研究領域消化器病学(特に肝臓・胆道疾患)主な著書「消化器病学」、「黄疸−その診断と治療」、「肝細胞癌−長期生存例の検討」、「胆道の病気」、「胆石症と胆嚢炎」、「臨床検査法」などメディコピア教育講演シンポジウムは毎年の年頭に開催されて、ここに記念すべき第30回を迎えた。毎回、医学的に重要な、また身近な問題について、広い視野から講演、討議が行われ好評を博してきた。心筋梗塞や脳卒中をはじめ、いろいろな疾患を引き起こす動脈硬化が、時代とともにとくに注目されている。肥満、高血糖、脂質異常、高血圧などは動脈硬化の危険因子であり、関連するメタボリックシンドロームとその予防、とくに生活習慣の改善が、国民保健の上からも重要な課題となっている。日本人がさまざまな民族と比べて内臓脂肪の蓄積によるメタボリックシンドロームの危険性の高いことも注目すべきで、動脈硬化のこれらの危険因子はインスリン抵抗性という状態を基盤にしているともいわれている。また動脈硬化は青年期からすでに始まり、加齢とともに進展するが、若年化が進んでいることも軽視できない。2008年4月からはメタボリックシンドロームを防ぐための特定健診・保健指導がわが国では広く行われている。今回はこれらの大切な諸問題について、指導的な役割を果たしておられる専門の方々から、直接貴重な話をおききしたい。新春を迎えてのこのシンポジウムを多くの方々がよき勉学の機会とし、ご自身やご家族の健康、また病気の予防、診療に役立てて頂ければ幸いである。今回の会の企画には東京大学大内尉義教授のご指導を頂いたことに厚く御礼申し上げる。1昭和24年東京大学医学部卒業25年東京大学医学部第二内科39年同講師40年米国ジョーンズホプキンス大学医学部内科留学49年東京慈恵会医科大学第一内科教授平成3年東急病院院長9年同顧問日本成人病(生活習慣病)学会名誉理事長オ男カメ亀ハル治はじめの言葉
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