第30回メディコピア教育講演シンポジウム動脈硬化をめぐって◆予防と治療の新しい展開主な研究領域冠動脈疾患の診断治療と予防、動脈硬化主な著書「心臓病(虚血性心疾患)順天堂医学部編」(学生社)、編集「冠動脈疾患の予防戦略」(中山書店)、「医療シンポジウム『内臓肥満は生活習慣病への危険信号』」(産経新聞社生活情報センター)、監修「メタボリックシンドロームと心臓病」(日本心臓財団)、監修「心臓病-もっと敏感になろう、胸の痛み-」(社会保険出版社)あなたの周りにある日突然に心筋梗塞になった人がいないだろうか。ここ数十年の間に私たち日本人の食生活は大きく変化し、心筋梗塞を起こしやすいライフスタイルが当たり前になっている。事実、日本人の心筋梗塞患者数は人口の高齢化とともに急速に増加している。心筋梗塞は生命にかかわる重大な病気であるのに、多くの心筋梗塞がなんの前触れもなく突然おこり、いったん発症すると早期に治療しなければ、心臓の機能が悪くなり、その後の生活に大きく影響してしまう。さらに病院に搬送される前に死亡してしまうことも多いため、発症する前に心筋梗塞になりにくい生活を送ることが大切である。心筋梗塞は心臓の栄養血管である冠状動脈に動脈硬化が起こり、そこに突然血の塊ができて血流を遮断することによって起こる。それを予防するには動脈硬化になりやすい因子、いわゆるリスクファクターを避けることから始まる。リスクファクターにはたばこ、高コレステロール血症、高血圧、糖尿病そしてメタボリックシンドロームがあるが、心筋梗塞にならないためには今からそのリスクファクターを減らすように心がけて、そのための食事と運動を無理なく行い、万が一このような病気になったらそのサインを見逃さず、速やかに専門医を受診することが極めて重要である。この講演では心筋梗塞はどうして起こるのか、どうしたら予防できるのか、この病気になったらどのようにしたらよいのかを実際の患者さんのプロフィールを紹介しながらわかりやすく解説する。8昭和54年順天堂大学医学部卒業虎の門病院内科研修医60年米国Cleveland Clinic, Department ofCardiology留学順天堂大学循環器内科専攻生62年順天堂大学循環器内科助手平成5年米国Mayo Clinic, Division ofCardiovascular Diseases留学7年順天堂大学循環器内科講師12年順天堂大学循環器内科教授18年同医学部附属順天堂医院ハートセンター長併任20年順天堂大学大学院医学研究科スポトロジーセンター副センター長兼任同医学部附属順天堂医院副院長併任順天堂大学医学部循環器内科学教授ダ田ダイ代ヒロ浩ユキ之心筋梗塞
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