宝函 Vol.45, No.3 2024_P10
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嚥下とは、食べたり飲んだりする際の一連の動きのことで、食物や飲料を「認識して(認知期)」「口に取り込んで咀嚼し(準備期)」「口の中でまとめ、のどに運び(口腔期)」「反射的にゴクンと飲み込み(咽頭期)」「食道から胃まで運ぶ(食道期)」動作のことである。このように、摂食嚥下の一連の流れは5期(摂食嚥下の5期)に分けることができる。摂食嚥下障害(以下、嚥下障害)は、摂食嚥下の5期の一連の過程のどこかに障害が生じている状態である。嚥下障害の原因は多岐にわたり、摂食嚥下関連器官の奇形や欠損、腫瘍や術後、炎症や外傷といった器質的要因や、関連器官の神経や筋肉の異常といった機能的要因、認知機能低下や神経性食欲不振症等の心理的要因がある2。本稿では、嚥下障害の評価法から対応法まで概略を説明する。はじめに

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