β-D-グルカンは3重らせん構造の多糖で、ムーコル以外の病原真菌細胞壁の重要な構成成分の1つである。深在性真菌症の補助診断法としてわが国で1995年に最初のキットが開発された。その後、複数の製品の改良や生産終了を経て、国内では現在、島津ダイアグノスティクス株式会社と富士フイルム和光純薬株式会社から2系統・4キットが臨床現場に供給されている。米国で開発された2キットも含め、3つの基準値が設定されており、感度や特異度も各々に特徴を有している。本稿ではβ-D-グルカン測定を運用・評価する上で注意すべき点について概説する。はじめに
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