金沢の和傘は、職人の手による伝統工芸品で、美しい細工と鮮やかな色彩が特徴です。和紙と竹を使い、一本一本丁寧に作られる和傘は、日用品であると同時に、芸術品としても高く評価されています。特に、梅雨や夏の季節に使用され、和服との相性が抜群です。 和傘をはじめとした伝統工芸品店や茶屋、和菓子店が立ち並ぶひがし茶屋街は、江戸時代に栄えた金沢の歴史的な街並みを今に残す観光地です。石畳の道と格子戸の家々が連なり、風情溢れる景観が訪れる人々を魅了します。また、茶屋では伝統的な日本の芸妓文化も楽しむことができ、和傘を持って散策することで、一層情緒豊かな体験が味わえます。金沢の和傘と東茶屋街は、日本の伝統と美を象徴する素晴らしい存在です。(文責:事務局) 新型コロナウイルス感染症の位置づけが五類感染症へと変更され、2020年以降続いた二類感染症としての対応が転機を迎えて早1年が経過した。日本における新型コロナウイルス感染症と関連した死亡者数は累計で10万人を超えたと、先日報道された。1月1日には能登半島地震が起こり、いまだに復興の途上であるが、多くの地震を経験してきた日本にとって、その経験が生かされているのかと歯痒く思う。自分ができることは何かと問い続ける日々である。 先月、スロベニアで国際学会があり参加した。旧ユーゴスラビア構成国の1つ、人口200万人の小さな国家で、その首都リュブリャナに学会場があった。リュブリャニツァ川に囲まれた小高い丘の上にリュブリャナ城が立派な佇まいをみせ、川の両岸には美しい旧市街が広がる。この橋の4隅にはドラゴンの飾りが鎮座し(写真、筆者撮影)、ドラゴン橋として観光名所にもなっている。1895年のリュブリアナ大地震で崩落した橋の建て替えが必要となり、リュブリアナ初の鉄筋橋として1901年に完成した。市のシンボルでもあったドラゴンは、力強さ、勇気、大きさの象徴とされる。辰年の今年、能登復興を後押しするような、力強いエネルギーをこのドラゴンから感じた。 さて、検査UPDATEでは、アルツハイマー病の治療の承認された新薬である抗アミロイドβ抗体レカネマブの効果と診断について、脳脊髄液アミロイド測定系の視点から、大変わかりやすく解説いただいた。疾患REVIEWでは、いずれも進歩の著しい「加齢黄斑変性症」、「多発性骨髄腫」、「多囊胞性卵巣症候群」の3疾患を取り上げて、最新情報をおまとめいただいた。疾患の定義、分類、病態理解、最新の分子標的治療法は、進歩のスピードが極めて早く、それに追いついていくのは専門医でも至難の業である。誌面から、進歩の凄まじさの一端を感じ取っていただければ幸いである。検査Q&Aでは最新の肝線維化マーカー、検査EXPERTでは、「細菌の同定と分類」について、最新技術である質量分析装置を用いた技術を中心にご解説いただいた。最後に、社会的な問題ともなっている「ペットにおける高度医療」について話題提供していただいた。 皆様のお役に立てる情報となることを心より祈念し、編集後記とさせていただきたい。金沢ひがし茶屋街と金沢和傘(石川県) 55編集後記竹内 勤慶應義塾大学 名誉教授 / 埼玉医科大学 学長
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