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 宝函Vol.44では日本の世界自然遺産を表紙としてお届けいたします。No.1は鹿児島県の屋久島です。1974年に屋久島自然休養林に指定された白谷雲水峡はジブリ映画の『もののけ姫』の森のモデルとして有名です。苔むす森では石や土、木々が何百種類の苔に覆われています。一面緑の幻想的な世界が広がり「コダマ」に会えそうな気がします。他にもシシ神の森を守る神様「モロ」や「サン」が住んでいた岩屋のモデルとなった辻の岩屋や「アシタカ」が見下ろした太鼓岩などがあり、太古が息づく自然の中でジブリの世界を感じられる場所です。 SRL宝函の第44巻第1号をお届けいたします。まもなく2024年度が始まろうとしている時期に執筆させていただいておりますが、この1年を振り返りますと、医学・医療面では、やはり新型コロナ感染症(COVID-19)に翻弄された1年であったと思います。もう3年以上、COVID-19の脅威に振り回されてきましたが、この度、政府は、専門家の議論を踏まえ、5月8日から本感染症を感染症法上の五類感染症に位置付けることを決定し、これまで講じてきた各種の政策・措置について、見直しが行われる状況になりました。ようやく、1つの区切りがつけられようとしていますが、今後も注意深く見守る必要があるのは当然です。臨床検査の重要性も不変であり、診療現場における診断に加え、抗原検査キットによる自主検査の有用性は不変ですし、その質の担保はもちろんのこと、必要な時にしっかりと国民に検査キットが提供できるようにしないといけません。また、変異株スクリーニング(ゲノムサーベイランス)の重要性も不変です。 さて、今号の検査UPDATEでは、非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)が取り上げられています。まさに、ACCEモデル、つまり、A(AnalyticalValidity:分析的妥当性)、C(ClinicalValidity:臨床的妥当性)、C(ClinicalUtility:臨床的有用性)、E(EthicalLegalandSocialIssues:倫理的法的社会的諸問題)に基づいて評価・運用されなくてはいけない検査です。本稿では、これに基づき、従来の不適切なNIPT検査の実施が是正される方向性も紹介されています。益々、高度化・多様化している臨床検査の今後を考える上で、たいへん重要な問題が議論されていると考えています。また、他の通常の掲載覧も、執筆者のご尽力により、たいへん充実しています。是非、ご一読ください。(文責:事務局) 55編集後記屋久島・白谷雲水峡(鹿児島県)矢冨 裕国際医療福祉大学 大学院長

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