宝函 Vol.43, No.4 2022
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アスペルギルス症は糸状真菌であるAspergillus 属の感染症である(図1)1, 2)。急速に進行し高い致死率を示す侵襲性肺アスペルギルス症と、肺空洞内に菌球を形成する肺アスペルギローマを代表とした慢性肺アスペルギルス症の2 つが主要な病型である(図2)3)。また、Aspergillus属が原因となる肺疾患には、気管支喘息やアレルギー性気管支肺アスペルギルス症といったアレルギー性疾患も存在する4)。同じアスペルギルス症であっても、これらの病型ごとに検査の使い方が異なる点に注意が必要である5)。慢性肺アスペルギルス症の診断に重要なアスペルギルス抗体検査が、オクタロニー法による沈降抗体検査からELISA によるIgG 抗体検査に置き換わるなど、検査方法も変化している6)。本稿ではアスペルギルス症の血清検査に焦点を当て概説する。はじめに

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