サル痘は、1958年にカニクイザルにおける天然痘様の感染症として報告され、その後、何度か施設のサルで流行し、致死率は3~48%と報告されている。ヒトのサル痘は1970年にザイール共和国〔現在のコンゴ民主共和国(DRC)〕で初めて報告された。その後、DRCでは年々患者数が増加している1)。他のアフリカ諸国でもサル痘患者が発生するようになり、2017年以降ナイジェリアで流行が継続している。2018年以降、ナイジェリアからの帰国者や渡航者が英国などで発症した事例が数度報告されている。2022年5月に欧州でサル痘患者が報告されて以降、急激に患者数が増加している。本稿では、サル痘患者がアフリカの流行国で増加した理由、世界中で患者が急増した理由、対応策やワクチンなどについて概説する。はじめに
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