普及によって、病院臨床検査室・衛生検査所における精度保証のあり方が改めて問い直されている。臨床検査の質保証体制は分析前工程、分析工程、分析後工程の各工程における精度の保証と、各プロセスの質保証を管理・運営する精度マネジメントシステム(QualityManagement System:QMS)で構成される。このうち、分析工程の質管理は内部精度管理(internal quality control:IQC)と外部精度評価(external quality assessment:EQA)が担う。2018 年の法改正では、病院臨床検査室にも精度の確保にかかわる責任者の配置と各種標準作業書・台帳の整備が義務付けられた。しかし、IQC の実施、EQA の受検、要員の研修実施は努力義務にとどまり、QMS の全体構成からみると不十分であることは否めない。以下では筆者が参画するEQA でのIQC 実施状況についてのアンケート結果を踏まえ、臨床検査精度保証の現状について述べる。2018 年の医療法、臨床検査技師等に関する法律の改正と、国際規格ISO15189 に基づく臨床検査室認定の急速なはじめに
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